新型コロナウイルスの症状とは

コロナウイルスなにが原因なんですか?

31/01/2020 | 14:48 2609 lượt xem

新型コロナウイルス感染症はまだよく分かっていないことが多いのが実情です。

現時点で分かっていることについてご紹介します。

コロナウイルスとは?

コロナウイルスによる感染症の種類と比較(国立感染症研究所「コロナウイルスとは」を参考に筆者作成)
コロナウイルスによる感染症の種類と比較(国立感染症研究所「コロナウイルスとは」を参考に筆者作成)

これまでにヒトに感染するコロナウイルスは4種類知られており、かぜの原因の10〜15%を占める原因ウイルスとして知られていました。

またイヌやネコ、ブタなど動物に感染するコロナウイルスも存在します。

2002年中国広東省に端を発したSARS(重症急性呼吸器症候群)は、コウモリ(あるいはハクビシン)のコロナウイルスがヒトに感染し、ヒト-ヒト感染を起こすことで8000人を超える感染者を出しました。

また2012年には中東でMERS(中東呼吸器症候群)が報告され、ヒトコブラクダからヒトに感染する感染症であることが分かりました。

そして2019年12月末から中国の湖北省武漢市で発生した原因不明の肺炎は、新型のコロナウイルス(2019-nCoV)が原因であることが判明しました。

新型コロナウイルス感染症の原因は?

新型コロナウイルスの宿主動物(元々ウイルスを持っている動物)はまだ分かっていません。

しかし、この感染症の存在が明らかになる前から、武漢市にある海鮮市場に関係のある患者が多いことが分かっていました。このため、新型コロナウイルスの宿主動物はこの海鮮市場で売られていた何らかの動物ではないかと推測されています。

新型コロナウイルスは動物から人に感染し、さらに人から人に感染しうることが分かっています。

現時点ではWHO(世界保健機関)は1人の感染者から1.4〜2.5人にうつすのではないかと推計しています。

これはインフルエンザやSARSよりは低く、エボラ出血熱よりは高い数値です。

新型コロナウイルス感染症とその他の感染症の広がりやすさの比較(ECDC infographicを参考に筆者作成)
新型コロナウイルス感染症とその他の感染症の広がりやすさの比較(ECDC infographicを参考に筆者作成)

新型コロナウイルスの現在の広がりは?

新型コロナウイルス感染症の症例が報告されている国(2020年1月30日現在)
新型コロナウイルス感染症の症例が報告されている国(2020年1月30日現在)

2020年1月30日時点で20カ国、7783人の新型コロナウイルス感染症患者が報告されています。

中国の湖北省武漢市で流行が始まったことから、症例の大半は中国で報告されています。

中国以外にはタイ、日本、香港、シンガポール、台湾、オーストラリア、マカオ、マレーシア、フランス、アメリカ合衆国、ドイツ、韓国、アラブ首長国連邦、カナダ、ベトナム、カンボジア、フィンランド、ネパール、スリランカで報告されています。

このうち、中国以外ではベトナム、日本、台湾、ドイツで人から人への感染が確認されています。

日本では1月30日の時点で14人の感染者が報告されています。

新型コロナウイルス感染症の症状は?

2020年1月2日までに新型コロナウイルス感染症と診断された41人に関して、

・73%が男性

・32%が何らかの持病がある(糖尿病20%、高血圧15%、心血管疾患15%など)

・年齢の中央値は49.0歳(四分位範囲 41-58歳)

・66%に華南海鮮市場への何らかの接触があった

・41人全員に肺炎あり

・合併症として急性呼吸促迫症候群29%、ウイルス血症15%、急性心障害12%、二次感染10%などがみられた。

・32%が集中治療室に入室し、15%が死亡した

(TheLancet. A familial cluster of pneumonia associated with the 2019 novel coronavirus indicating person-to-person transmission: a study of a family clusterより引用)

15%が死亡、と聞くと今の報道よりも多いと思われるかもしれませんが、当初武漢で報告されていた41人の患者に関する報告であり、全員入院患者ですので重症患者が多いという特徴があります。

現在は軽症例も診断されている状況にあり、これよりも致命率はずっと低くなっています。

男性が多いのは、海鮮市場の関係者が多いことに起因しているものと思われます。

新型コロナウイルス感染症の入院患者41人の臨床症状
新型コロナウイルス感染症の入院患者41人の臨床症状

発熱の頻度は高いものの、熱が出ない症例もごく稀にあるようです。

頻度が高い症状は咳、筋肉痛・だるさ、痰、頭痛などです。

これは一般的な肺炎の臨床症状と大きく変わりありませんが、ウイルス性に起因するためか痰のある症例が少ない印象です。

半分以上の症例で呼吸苦が出現していますが、全て肺炎がある入院患者ですので、軽症例まで含めるともっと少ない可能性があります。

発症からの典型的な経過

発症からの典型的な経過
発症からの典型的な経過

発症してから入院し、重症化するまでの典型的な経過についても分かってきました。

発症からしばらくは症状は軽く、発症から1週間くらいで症状が強くなり入院、8日目くらいに呼吸苦が出現、重症例では9日目くらいから急性呼吸促迫症候群という合併症を起こし、10日目以降に集中治療室に入室するという経過のようです。

これも重症例が中心である点を差し引いて解釈する必要があります。

新型コロナウイルス感染症の重症度や致命率は?

新型コロナウイルスの致命率(SARS、MERSとの比較)2020年1月30日時点
新型コロナウイルスの致命率(SARS、MERSとの比較)2020年1月30日時点

中国からの発表によると、おおよそ1/4〜1/5の方が重症患者と報告されています。

2020年1月30日時点での致命率は2.2%となっており、SARSやMERSよりは低くなっています。

また武漢市から帰国した日本人約190名の無症状の人のうち、2人から新型コロナウイルスが検出されたことから、これまでに知られていたよりも軽症や無症状の方が多いのかもしれません。

新型コロナウイルス感染症にかかると重症化しやすい人は?

これまでに報告されている死亡者は、糖尿病などの持病を持つ人や高齢者に多いことが分かっています。

SARSやMERSなどのコロナウイルス感染症と動揺に、持病を持つ人や高齢者で重症化しやすいと考えられます。

新型コロナウイルスの治療は?

新型コロナウイルス感染症に有効な薬はまだありません。

すでに中国ではカレトラという抗HIV薬とインターフェロンという薬を併用した治療についての臨床研究が行われていますが、これらの薬剤が新型コロナウイルス感染症に有効であるかは今後の報告を待つ必要があります。

新型コロナウイルス感染症の予防は?

現時点で有効なワクチンはありません。

咳やくしゃみなどの飛沫から感染することから、これらの症状のある人は周りの人にうつさないようにマスクの着用など咳エチケットを心がけましょう。

また手など触ったところからウイルスが広がり感染する可能性もあるため、こまめな手洗いを行うようにしましょう。

【この記事は、Yahoo!ニュース個人編集部とオーサーが内容に関して共同で企画し、オーサーが執筆したものです】

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